施工業者からの見積書の金額について、適正な金額?

マンションの販売価格や住宅のリフォームの見積額など、建築の費用について、関心や疑問をもったことは、ありませんか?
施工業者からの見積書の金額について、適正な金額なのか、その判断に困ったことは、ありませんか。
販売価格や見積額を作るための「積算」については、建築基準法等の建築法規の知識は当然ですが、各工事の工程ごとに必要な額を積算した上で、原価を正確に算出し、その原価に対して、利益を乗せて、お客様に提示するのが見積書です。
弊社は、長年、ゼネコン・官公庁において、建設工事の積算・入札に携わってきた経歴等から、建築に関わる積算の仕組みについて、概略を簡単に、ご説明します。
「積算」とは、「その工事の施工に必要なコストを事前に算出する」ことです。
直近の話題では、2020年12月に、東京駅前八重洲一丁目東B地区第1種市街地開発事業が東京都から認可されました。
工事概要は、地上51階、地下4階、高さ250m、延べ面積225,200㎡の超高層ビルの新築です。2021年10月着工、2025年3月竣工予定です。
「この巨大プロジェクトの工事費の算出は、どんな方法によって、算出するのでしょうか。
工事費の算出は、すべて工事設計図等から積算基準に則って、工事別に係数別に、算出されています。
算出方法は、建築工事であれば、次のとおりです。
官公庁等における予定価格の積算については、設計図に基づき、各工事の工法ごとに、材料・工法などを「公共建築工事標準仕様書」等に基づき確認しつつ、「公共建築工事標準単価積算基準」等を用い、詳細に、算出します。
積算手順は、設計会社等の設計図面から、各工事の施工過程に基づき、「数量の拾い出し」から始めます。
これは、設計図から平面図・立面図・矩計図(かなばかり図)(※建物の一部を切断して、納まりや寸法等を細かく記入した断面図の詳細版のことです)等から各施工過程の作業手順ごとに、その施工数量について、詳細に拾い出しを行います。
この作業には、施工過程の「空間把握」や「設備工事・電気工事等」の現場レベルにおける関連知識も必要となりますので、施工現場で各工事がどのような手順で施工されるかの現場知識は必須となります。(日頃から、基本の各工事の設計図(特に断面図)を頭に入れて、建築中の現場を観察しておくとイメージできます。)
積算手順は、以下のとおりです。
- 設計図から各工事・各工程別に、数量(長さ×幅×高さ×奥行など)の拾い出し
- 数量表を作成
- 設計図の仕様書から各工事(各工程)の施工条件(工法・使用部材等)の確認
- 「各共通仕様書・各標準仕様書・各積算基準書」等を確認しつつ、各工程の仕様部材等と施工手間代から施工単価を算出します。
この作業過程において、各工事の施工手順の理解はもちろんですが、図面と仕様書の解読が必須となります。
特に、図面や仕様書では出てこない関連作業や機材・運搬などの費用について、現場を熟知していないと、見逃してしまいますので、施工現場の経験が何よりも大切となります。
設計図には、一般的には、以下の基本図面(建築)があります。(設備・電気の図面は別)
- 一般図
設計概要書・仕上表・配置図・平面図(各階)・屋根伏図・立面図・断面図 - 詳細図
矩計図・平面詳細図(各階)・展開図・天井伏図・建具リスト・階段詳細図・部分詳細図・建具図 - 設構造図
基礎伏図・1階床伏図・各階伏図・小屋伏図・軸組伏図・基礎詳細図・構造基準図




ひとこと
建築・住宅に関する費用については、見積書をとっても、見積額が適正な金額なのか、わからず、確かめるところがなく、弊社にご照会されるケースが多くあります。
建築の積算・見積については、図面の解読技術・現場スキルは、必須となりますので、・見積額についてのご相談・ご照会は、建築の知識とともに、これらの現場経験のある専門アドバイザーへのご相談をお勧めします。
弊社は、上記のノウハウを備えた専門アドバイザーを配置していますので、安心して、ご相談ください。