相続不動産の活用とは
土地・建物を相続された方から、相続不動産の維持管理や固定資産税等の負担から、「相続不動産の売却・活用」についてのご相談が多くあります。
ご両親が長年居住された実家の不動産等は愛着があるものの、その建物等の維持管理のために、多大な労力と交通費等の負担から、やむを得ず、空き家となるケースも少なくありません。
こうした状況で、今、売却・活用を早期に取り組むことによって、問題を解決したいとする相続人の方が増えています。
1 相続不動産「空き家」の活用方法
相続不動産について、相続した現況で所有しているだけでは、毎年の固定資産税等の税金や維持管理コストが年々増していきます。
特に、相続した実家をそのまま放置すれば、空き家となり、「売れない不動産」の負債に転じてしまいます。
現在のコロナ禍の状況の中、築40年でも空き家の利活用が増えています。
相続した空き家の利活用について、次のとおり、多様な選択肢があります。
(1) リフォームして賃貸
現状での賃貸物件で借り手が見つかれば、問題は生じませんが、現実には、借り手が現れない、厳しい状況です。
こうした場合、賃貸で借り手がでる立地条件であれば、リフォーム(リノベーション)を専門業者に託し、個性的な物件に仕上げて、賃貸する方法があります。
その際、リフォーム費用で躊躇される方も少なくありませんが、リフォームでの費用を賃貸収入で回収できる利回りの計算をご提案すると、検討を頂けるケースが多くあります。
例えば、リフォームに250万円、年間家賃収入100万円であれば、利回りは40%となり2.5年で投資額(リフォーム費)が回収可能となります。
これは「表面利回り」ですから、その他の経費を見込んだ「実質利回り」でみても、3.5年~4年で回収可能となります。
リフォームの施工カ所は、屋根・外壁・水回り・床・内装等で、200~400万円の予算額で地元の専門業者に依頼します。
また、借り主の費用負担で物件を自由に改装できる「DIY物件」として貸し出すのも有効な手段となります。相続された方(所有者)のリフォーム費用が低く抑えられるとともに、「借り主の好きにカスタマイズできる」とアピールして賃貸物件の差別化を図れることから、早期に賃貸契約が実現します。
加えて、DIYによって個性的に改装された家は、次の賃貸も決まりやすくなる波及効果もあります。
なお、2019年6月の法令改正により、空き家から店舗・シェアハウスなどへの用途変更の場合、200㎡以下までは建築確認申請が不要となりましたので、空き家の利活用の追い風となっています。
ただし、建築確認申請は不要となった範囲においても、多数の人が利用する店舗等は建築基準法等の安全基準は満たす必要があります。
2相続不動産「空き家」の賃貸・売却の境界線
「賃貸できる空き家」と「賃貸できない空き家」、また、「売れる空き家」と「売れない空き家」は、どこで判断するのですか」とのご相談も多く寄せられます。
「賃貸できない空き家」や「売れない空き家」は、できるだけ早く見極めて、処分に踏み切ることが必要です。その判断する境界線のポイントは、次のとおりです。
「現在も続くコロナ感染拡大の中、郊外の戸建で暮らしたいというニーズは首都圏を中心に増えています。
現在、選ばれている空き家は、「①屋根・外壁が劣化していない、②床のシロアリ被害がない、③既存不適格建物ではない(現行法では不適格で再建築不能)、④災害危険地域でない、⑤環境その他の買い手の不利な状況がない」などがあります。
以上の条件が整わない場合には、リフォーム(イノベーション)して、賃貸、または、売却、それが難しい場合には、家屋を解体して更地での売却を選択肢に加えて、検討が必要となります。
3 更地とした相続財産の有効活用
家屋を解体して更地とした相続不動産(土地)については、固定資産税が建物の優遇措置の適用がなくなるため、税負担が大きく、加えて、維持管理費等の負担など、保有しているだけでは負債となりますので、有効活用が必須となります。
有効活用の選択肢は、次のとおりです。
(1) 更地での売却
早期に売却できれば良いですが、できなければ毎年の税負担が大きいことから、下記の活用に舵を切ることが必要です。
(2) 更地の有効活用の種類
- 店舗・アパート・マンション等の賃貸物件
- 高齢者向住宅・介護系施設(老人ホーム・グループホーム)
- 駐車場
- トランクルーム
- 太陽光発電
- 印鑑証明書
- その他(定期借地権・土地信託など)
上記の活用においては、法務・税務・建築・不動産取引・マーケティング・プランニング・事業計画など、様々な専門知識と経験が必要となります。
また、アパート経営等の事業を始めると管理及び運営業務も発生します。
そこで必要となるのが、土地活用の企画から事業開始後の経営まで相談・委任ができるパートナーが必須となります。
相続した土地活用の成否を分けるのは、このパートナーの選定にかかっているので、相談先は複数の不動産会社と行い、「どのような提案と伴走的な総合支援が得られるか」が判断の決め手となります。
当社は、相続不動産の売買を中心として、多くの方々のご支援をしております。
社内に宅地建物取引士・行政書士を配置しており、加えて、土地家屋調査士・司法書士・不動産鑑定士・税理士等との連携体制「ナビ・シグナル不動産の連携ネットワーク:不動産相談センター」を構築しております。
相続不動産の売却にあたっては、様々な諸課題をクリアする必要がありますので、当社の「不動産相談センター」をご活用ください。