相続不動産のリフォーム

相続により取得した不動産の売却・活用については、相続した時のままでは、賃貸・売却ともに、買い手・借り手は現れないことが少なくありません。
空き家状態のまま時間が経てば、屋根・外壁は腐朽し、室内も換気がされないため、老朽化が加速し、取り壊しの選択肢しかなくなります。

そうならないためにも、相続した後、早期にリフォームし、建物を守り、美しい外観と、快適な住環境を保つとともに、買い手・借り手が現れるような物件に改装することが必要です。

特に、屋根や外装材は、年中太陽光や雨・風にさらされ、過酷な環境から住まいを守っています。屋根・外装材を長持ちさせるためには、細かな点検とメンテナンスが必要となります。

また、浴室・トイレやキッチン・洗面台等の水回りカ所は、20年以上経過すると、設置している住設機器の故障や不都合が生じ、取替が必要な状態となり、また、床のシロアリ被害も発生するなど、リフォームの最優先のカ所となります。

以下、主要なリフォームについて、留意すべきところをご説明します。

1 屋根のリフォーム

建物の屋根は、屋根材の種類にもよりますが、築10~30年の時期に、屋根塗装、または、屋根材の取替のリフォームが定期的に必要となります。

屋根をリフォームする目的は、防水シートと下地材(野地板)の取替・回復です。

屋根材の下には、ルーフィング(下葺き材)とよばれる防水シートが敷かれ、雨漏りを防いでくれます。築20年以上経過した屋根は、このルーフィングが破れて、機能していないことが多く、雨漏りの原因となります。

このため、屋根の「葺き替え」やカーバー工法(屋根の上の軽量な屋根を重ねて張る工法)の施工するときは、ルーフィングも新しく敷き直します。

戸建て用のルーフィングは20種類以上あり、建売で販売している戸建は低価格・低品質の材料を用いていることが多く、耐久性は10~15年程度しか持ちません。

最近では、屋根材も進化しており、従来の「コロニアル(彩色石綿版)」(スレート屋根)ではなく、成型ガルバリウム鋼板(裏側に断熱材を貼付け)やエスジーエル鋼板などの金属屋根が登場し、より高品質で耐久性のある屋根材が急速に普及しています。

屋根のリフォーム時には、屋根塗装や通気層の確保も含め、用いる材料について、高品質で耐久性のある材料を提案する施工業者に依頼することが必要です。

2 外壁のリフォーム

住宅の外壁は、モルタル・サイディング・ALC版・タイルのいずれの素材であっても、毎日の風雨や紫外線にさらされるため、10年前後で劣化病状が見られます。

目地(コーキング)の老朽化、サッシ等との取合の鉄部サビ、ひび割れ、カビ・コケ、穴や傷などの損傷部分が顕著となり、補修の時期となります。

耐久性の低い塗料で塗装されている場合には、5~8年で劣化症状がでてきます。

都市部の住宅では、外壁の塗装工事の現場を頻繁に見かけますが、使用する塗料や補修方法が重要となります。

例えば、外壁のひび割れ(クラック)は、塗装の劣化や外壁自体が乾燥等によって収縮、また、地震等での振動で壁に圧力が加わった場合などが原因と考えられます。

その際、ひび割れ(クラック)のカ所の幅が0.3mm以下か、以上か、1mm以上か、深さが4mm以上か、以下か、によって、補修方法が異なります。

病状の状況によっては、壁塗装での補修ではなく、サイディング材や成型ガルバリウム鋼板(裏側に断熱材を貼付け)などに「張替の施工」の選択があります。

耐久性等を考慮すると、一時的な費用は多めにかかりますが、建物全体の耐久性と将来のメンテナンス費用から、上記の工法を選択されるケースが多く見られます。

3 水回りの住設機器の交換・取替

水回りの住設機器は、売却・賃貸するためには、リフォームが必須となります。
毎日利用し生活には必須の住環境であり、清潔な環境が求められます。

キッチンのフルリフォームは、最近では、「壁式タイプ」のキッチンから「対面式のキッチン」に交換する施工が多くなっており、同時に内装(壁・床・天井)や、配管設備・電気設備もリフォームする場合も多く見られます。
また、同時に、浴室やトイレ、洗面台のリフォームも多くなっています。

浴室のリフォームは、ユニットバスにリフォームする工事が一般的であり、工期が短縮でき、清潔感とメンテナンス等が選ばれる要因となっています。

ユニットバスの据付工事施工と併せて、洗面室の床の工事もお勧めします。
築20年以上の戸建住宅の水回りの床は、シロアリ被害も見られ、床の通風工事もリフォーム項目に入れておくことが重要です。

トイレのリフォームについても、住環境の中では、取替工事が必須なカ所です。
便器の交換や内装(壁・床・天井)の張替の他、温水洗浄便座や手洗いカウンターの設置も併せて施工する場合が多く見られます。

以上、水回りの住設機器のリフォームは、排水設備工事も含めて、全体的なリフォームが効率的であり、施工費用も個別で施工するよりも、結果的には、少なくすみます。
4セットプランとして提供している施工業者もいますが、各メーカーの機能・品質や素材・質感の統一感などを検討して、各メーカー製品購入費と施工費用を分けて検討することが必要となります。
製品の検討にあたっては、事前に、各メーカーのショウルームで確認することをお勧めします。

4 リフォームのご相談

当社は、建物のリフォームについて、建築・設計・施工に関する専門知識と現場経験を有する担当が在籍しており、相続不動産のリフォーム全般に関するご相談に対応させて頂いております。

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