この非課税措置は、祖父母や両親の資産を早期に移転することを通じて、子や孫の結婚・出産・子育てを支援するため、平成27年度に導入された制度です。
制度の概要は、父母・祖父母(贈与者)が、20歳以上50歳未満の子・孫の結婚・子育てを支援するため、金融機関にこの子・孫(受贈者)名義の口座等を開設し、結婚・子育て資金を一括して拠出した場合、この資金について、子・孫ごとに1,000万円(結婚資金は300万円)までを非課税(贈与税の課税価格に算入しない)とするものです。

適用条件の概要
贈与者
受贈者の直系尊属(両親・祖父母等)
  当該贈与者が、下記金融機関に受贈者(子・孫等)名義の口座等を開設する。
受贈者
贈与者の直系卑属(子・孫・ひ孫)で、30歳未満に限る。
金融機関
信託銀行を含む信託会社、銀行及び金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限る)と結婚・子育て資金管理契約を結ぶ。
拠出限度額
受贈者1人につき1,000万円(結婚に際しての支出費用は300万円)まで。
当該贈与者が下記金融機関に受贈者(子・孫等)名義の口座を開設する。
教育資金の内容
(1) 結婚に際しての支出費用(挙式等費用、新居の住居費、新居の結婚費用)
(2)妊娠・出産に際しての支出費用(不妊治療費、分娩・入院費、産後ケア費用等)
(3)育児に関する費用(未就学児のこの医療費、子の保育費(入園料、ベビーシッター費等)
税務署への申告
「結婚・子育て資金非課税申告書」を金融機関を経由し、預貯金等を信託や預入等をする日までに受贈者の納税地の税務署に提出。
払手の確認
受贈者は、払い出した費用を教育資金に充てた領収書等を金融機関に提出。
口座の終了
受贈者が50歳に達した日に口座は終了し、残額があれば、贈与があったものとして、 贈与税が課税される。
受贈者の死亡
受贈者が死亡した場合に残額があっても、これに贈与税を課さない。
贈与者の死亡
贈与者が管理契約期間中に死亡した場合には、その時点での残高を受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされ、その残高は贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算される。
受贈者が相続税額の2割加算の対象となる場合(贈与者の孫等)であっても、残額に対応する相続税額については2割の加算の対象とならない。